恩返し

朝夕、秋の気配を感じるようになった。
昨日、初七日法要へ行った。一年の間に両親を看取った友人は、以外にも気丈にふるまっていた。
三年間、自宅で両親の介護をした。母親が去った7月に逝き、そして後を追うように父親も逝ってしまった。
彼女は言う。「父や母にかわいがってもらったから、介護は恩返し。優先順位を介護においたら、介護も結構楽しかったよ」
この言葉に感動した。三年間の介護で、なかなか外出もできなかった彼女の労をねぎらったら、返ってきた言葉だった。
法要の座なのに、ついつい長居をして話し込んでしまったが、彼女の持ち前の明るさで、いろんな事を乗り越えていくと思う。
「親が亡くなるってやっぱりさびしいね。90才を過ぎていても、もう少し生きていてほしかったな」
帰り際の彼女の言葉に胸がつまった。私にも年老いた親が3人いる。近い将来「介護」はやってくる。
彼女のように、「恩返しだよ」と明るく笑って接することが出来るか自信はないが、学びたいと思った。